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アーユルヴェーダ料理教室で学ぶこと|理論が日々の暮らしにつながるまで

アーユルヴェーダに興味はあるけれど、何から学んだらいいかわからない。本を読んでみても、毎日の暮らしにどう取り入れたらいいのかわからない。そんな方にこそ、体験していただきたい学びがあります。

eatreat.で2020年から開催している「アーユルヴェーダ料理教室」。アーユルヴェーダカフェ「eatreat.ruci」で開催する対面クラスと、Youtube Liveで配信するオンラインクラスを開催しており、これまで延べ700名以上の方にご参加いただきました。「料理教室」だけれど、料理だけじゃない。アーユルヴェーダの理論をしっかり学び、それを料理を通して生活に自然と取り入れる。この記事ではその魅力について、エピソードを交えてご紹介します。

1、料理を習う前に、アーユルヴェーダを理解する

対面クラスのコース初回では、みなさんに「何をきっかけに教室にお申込になりましたか?」と質問しています。圧倒的に多いのは「アーユルヴェーダに興味があって」「食事からなら取り入れやすいと思った」という答えです。

アーユルヴェーダを勉強したいと思った時、今はさまざまなスクールがあります。インドやスリランカのドクターが学ぶような専門的な理論を学べるところもあれば、セラピストを養成する講座もある。

でも、そもそもアーユルヴェーダとは何なのか、まだはっきりと輪郭が掴めないうちは、自分がどこまで学びたいのかもわからないものです。

一方、食事は毎日のこと。自分や家族の健康を考えた時、食べることを大切にしたいという気持ちは、誰もが持っているのではないでしょうか。だからまずは、毎日の食事からアーユルヴェーダを学んでみたい。そんな思いで教室を選んでくださる方が多いようです。

ちなみに「スパイスに興味がある」「料理が苦手だからチャレンジしてみたい」という、アーユルヴェーダ以外のことがきっかけで参加される方も2割程度います。

そういう方からも、実際に参加してみると「スパイス料理を習いに来たけれど、アーユルヴェーダの話が面白くてのめり込んでしまった」「座学がとにかく充実している。みんなと話し合う時間も大切」という嬉しい声をたくさんいただいています。

2、本で読む知識と、腑に落ちる理解は違う

アーユルヴェーダを勉強したい、と思った時に「本を買って読んでみよう」と考える方はたくさんいるようです。ルチに食べに来てくださったお客さまからもその質問を受けることが多々あります。

アーユルヴェーダ関連の良い書籍は、もちろんたくさんあります。私が通っていたスクールの先生方が執筆なさった書籍もあるし、古典書の日本語訳を学会が手がけた良著もある。イラストを使ってわかりやすく解説している導入本もあるし、体質診断に絞った簡易書もあります。

それでも「何かおすすめ本はありますか?」と初心者の方に聞かれたら、私は個人的にあまり答えないようにしています。本を買って読むことはできても、実際には「なんとなくわかった気になって、そこまでになってしまう」ことが多いから。

アーユルヴェーダは生命科学です。数千年にわたって受け継がれてきた伝統医学の理論を、生活の中に落とし込んで実践しようとした時、本だけで習得するのはとても難しい。古典書の中で、アーユルヴェーダを学ぶ師匠と生徒が問答を繰り返しながら理論を深めていく様が記されているように、私は「対話の中で学びを深める」ことをとても大切にしています。

例えば、ドーシャ理論で「Vata」という生命エネルギーを理解するとき。書籍では「冷性・軽性・乾性で、よく動くドーシャ。そのため、Vataが優勢なドーシャの場合、体型も痩せ型で乾燥肌、好奇心旺盛で、華やかな人が多いです」などと紹介されている。これは間違いではないのですが、正解でもない。生命はもっと複雑です。

私がVataを説明するなら、こんな風に話します。

Vataは生命の始まり、終わりにある力。移動し、伝達し、物事を動かすときになくてはならない力。その分揺れやすく、扱いが難しいけれど、ちゃんと鎮静してあげれば私たちをどこにでも連れて行ってくれる。初冬の森に遊びにいくと、色とりどりの葉っぱが踊るように散って、その鮮やかさに目を細める時のように、私たちの人生を彩り豊かにしてくれる。一方、梅雨や台風、季節の変わり目に十分養生していなければ、Vataはその通り道に必要な入り口も出口も塞いでVataの閉塞が起きる。この時に、停滞感やむくみ、疲れ、やる気がなくなるなどを感じることもある。

どうでしょう?ドーシャというのは単純なタイプ診断ではないことがわかります。そしてそれを、周囲の景色を見渡して、具体的に想像しながら、そのドーシャへの理解を深めていく。授業では、こうした観察の時間を大切にしながら、ドーシャの性質についてお話ししています。

生徒さんから「ハッとすることが多い」と言っていただくのも、知識が自分の体験と結びつく瞬間が多いからかもしれません。目が覚めるように腑に落ちる時、知識が知恵に変わるのだと思います。

3、自然を理解することは、自分を理解すること

eatreat.のアーユルヴェーダ料理教室では、季節ごとにテーマとなるドーシャを決めて、環境の変化を観察しながら、それを自身の内省につなげる座学をお届けしています。なぜかというと「環境の中にもドーシャがある」からです。例えば厳冬から春はKapha、夏から秋はPitta、梅雨や初冬、台風のシーズンなどはVataと言われています。

環境の変化と、それに応じて自分自身の心身がどのように変化するかを観察していくと、自ずとドーシャの性質が理解できます。例えば、厳冬から春にかけてはKaphaというドーシャが環境の中に増えるので、人の心身もそれに影響を受けてKapha優勢になりやすくなります。

Kapha優勢になると、倦怠感や鈍重感を感じやすくなり、体内にも未消化物や鼻水などの粘性のものが蓄積し、詰まりやすくなります。

これは元々の体質がPittaやVata優勢であっても、厳冬から春の間だけは、養生してないと誰しもが環境から影響を受け、Kapha寄りになることで感じやすくなる現象です。

私はいつも「一番近い自然は、人間である自分」と伝えています。環境の中にあること、自然の中で感じられる変化は、自分の中にもあると理解する時、自分が元々どのような体質か?ということにばかりこだわらないで、全てのドーシャを理解することの大切さがわかります。

これは、周りにいる自分とは異なる体質の人を理解することにも繋がるし、さらに、人は年齢を重ねるにつれてドーシャが変化していくので、変化していく自分をケアすることもできるようになるのです。

4、理論の後の料理の時間は、もっと面白くなる

料理教室は、先に座学の時間を1時間半ほどお届けしてから、1時間料理のデモンストレーションを見てもらい、最後に作ったものを食べるという構成になっています。

座学でいっぱいになった頭を抱えながら、キッチンに降りてくるとスパイスや湯気、野菜の香りが優しく包んでくれる。「Vataを鎮静するなら肉の骨の出汁が有効」という知識を得た後に、キッチンで骨付きの丸鶏で煮込むお粥「参鶏湯」の作り方を学ぶと、得たばかりの知識が具体的なレシピを伴って自分の中に入ってくる。さらに、できあがった料理を口に含んで食べる時「肉の骨の出汁によってVataが鎮静されるというのは、こんなに安心感があって、自分の足が地につく感じがあるんだな。毎日、この感覚を大切にできるようにしよう」そう思うことができる。

料理教室は、アーユルヴェーダを五感をフルに使って理解する場所。難しく感じる理論も、身体の中に美味しく取り入れて、「実際に調子が良くなる」嬉しい体験を重ねることで、すんなりと自分の暮らしに馴染んでくるんですね。

ちなみに、生徒さんたちからよく聞く声として「教室の次の日の朝のお通じが、めちゃくちゃ調子抜群!爽快な1日を送ることができるのでとっても幸せです」というのがあります。当たり前のことだけど、本当にごはんて、大事ですよね。

5、学びを、毎日の食卓へ。

eatreat.では、初めてアーユルヴェーダを学ぶ方に向けた「基礎クラス」と、それを一年修了した方向けの「応用クラス」の2クラスを設けています。

基礎クラスでは、

  • ドーシャ理論
  • 心の性質
  • アグニ(消化力)
  • リトゥチャリヤ
  • ディナチャリヤ

など、アーユルヴェーダの基礎となる大切なコンセプトを「季節の過ごし方」に寄り添いながら学んでいきます。

初めてアーユルヴェーダに触れる方でも大丈夫。最初から難しい理論をすべて理解しようとする必要はありません。

まずは一年を通して知識を受け止め、季節の移ろいや自分自身の心身の変化を観察してみてほしい。そうして少しずつ、学んだことと日々の暮らしが結びついていくのを感じてもらえたらと思っています。

基礎クラスでは毎月「キッチンファーマシー」というコーナーも設けています。こちらは、台所にある身近な食材を使って季節の養生ができる簡単なレシピをシェアする時間。日々のちょっとした不調や季節の変化に合わせて、自分や家族のためにできることが少しずつ増えていきます。

そして応用クラスでは、基礎クラスで学んだことをもう一度振り返りながら、今度は自分たちで養生のレシピを考えていきます。

レシピを作るといっても、単に分量や作り方を書き出すことではありません。みんなで話し合うワークショップを通して、「こんな時、アーユルヴェーダではどんなケアができるだろう?」と想像する力を育んでいきます。

基礎クラスで一心に受け止めていた知識が、応用クラスで振り返り、考え、言葉にすることで、少しずつ確かな知恵に変わっていく。その過程もまた、アーユルヴェーダを学ぶ楽しさのひとつです。

アーユルヴェーダの知恵は、教室の中だけにあるものではありません。

季節の風を感じる時、朝起きて自分の身体の様子を確かめる時、今日の食卓に何を並べようかと考える時。そんな日常のあちこちに、学んだことが自然と息づいていく。

料理教室でお伝えしたいのは、レシピだけではなく、そんなふうに自分の暮らしを見つめ、心地よく整えていくための知恵なのだと思います。

間もなく2027年のアーユルヴェーダ料理教室の募集が始まります。

対面クラスでも、オンラインクラスでも。ご自身の暮らしに合う学び方から、アーユルヴェーダの世界に触れてみませんか。

アーユルヴェーダ料理教室2027募集

2027募集概要は2026年10月26日に公開を予定しています。